少年野球における代表の立場とは?

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記事の目次

少年野球における“代表”というのは、一体どういう立場の人なのでしょうか。
若いお母さん達から見れば、『監督よりも年をとっていて、指導者はみんなあの人にはぺこぺこしているから偉い人なのかしら?』くらいの感じでしょうか。

そもそも、少年野球のチームにおいて、“代表”という立場の人間がいるチームといないチームがあります。また私が新米コーチの頃、名刺を頂いた時に、“代表監督”と書かれている人がたまにいたりして、混乱した覚えがあります。

代表監督

本来、チームに監督は一人です。ところが、高学年と低学年でチームを分けたり、子供の数が多いチームでは、学年毎にチーム編成をして、それぞれに監督を置いていることがあります。これは、主に都市部で4年生以下限定の大会(公式戦)が増えてきていることが一因と考えられます。

このような大会は、ちびっ子が楽しく試合をできるように、少年野球で一般に使用されるC球ではなく、“オレンジボール”という一回り小さな軟球を使用して試合をすることが多いので、練習時からそのボールに慣れ親しむ必要があります。特にピッチャーは、ボールの大きさ・材質が変わると途端にストライクが入らなくなったりするので、個別の練習・対策が必須です。

話が若干逸れましたが、このようにチーム内に複数監督がいる場合は、全ての監督を代表する立場として“代表監督”が置かれます。この場合、6年生チームの監督が兼任したり、最古参の監督が任されたりします。また、地域リーグにおける監督会議には、この“代表監督”が文字通り代表として参加することが多くなります。

純然たる代表職

一方、“代表監督”ではなく、純然たる“代表”職もあります。一般的にはチーム創設者や、長く監督職を務め、その後高齢のために勇退した人がその職に就くことが多いようです。

“代表”は、練習に参加したり、試合においてベンチ入りしたりはしません。当然ノックなども打ちません。長年に渡るチームの功労者として、いわゆる名誉職的な意味合いで置かれている立場(呼称)です。よって、そのようなポストを置く必要がない(該当者がいない)チームに、“代表”はいないというわけです。(この場合、監督若しくは代表監督が“純然たる代表職”を兼ねることになります。)

“代表”の仕事としては、都道府県市区町村や体協からボランティア団体宛に広く案内がある場合に連絡(郵便物)が届き、チームの“代表”として何らかの対応や回答が必要であることくらいです。

チームの歴史を最もよく知る人物

“代表”は、指導者としての(過去の)実力は未知数ながら、そのチームにおける最古参である場合が多く、チーム内に起きた過去の出来事を熟知しているだけでなく、多くのOBなどとも面識があるので、“チームの歴史を最も良く知る人物”として総会や年末の納会などで紹介され、一目置かれる存在となっています。

ところが“いいお爺ちゃん”として尊敬されているうちはいいのですが、“代表”はしばしば独善的な行動に走ります。既に現場から離れているにもかかわらずチームの方針や監督の戦略に口出しをしたりお母さん達に対して必要以上に接近したりすることで、結果的にチームの中で厄介者扱いされることもあります。特に“代表”に就くような年齢層は極端にワガママだったり、自分の主張が強すぎたりすることが多く、代表職を置くチームはどこも困っているようです。

まとめ

私が新米コーチの頃、少年野球の“代表”というのは、メジャーリーグでいう“オーナー”のような存在だと誤解していました。チームの創設者が監督職を退いた後に、半ば道楽でヤンキースのスタインブレナーオーナーのように、バンバンお金を使って選手や指導者に奢ってくれるような存在だと思っていました。
ところが、これは大きな勘違いであることが、数年して解ってきました。

定年のない少年野球の監督職を全うし、勇退して“代表”になったという状況は、野球に対して既に燃え尽きているばかりか、ボケも進み周囲に煙たがられていることが多いようです

現在、私はチームで“代表監督”を仰せつかっていますが、年老いて“監督”の肩書きが外れ“代表”となった時、“みんなから好かれるお爺ちゃん”になることを目標に、精進したいと思っています。

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