審判部長は何をすればいいのか?

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記事の目次

お子さんを少年野球チームに預けている貴方。お父さんコーチとしてもかなり経験を積み、審判の技術も向上してきました。
或る日、監督から「XXさん、審判部長やってよ。」と頼まれ、困ってしまいました。
少年野球チームにおける“審判部長”というのは、一体何をすればいいのでしょうか?

審判部とは

地域の少年野球リーグでは、主に春秋などに定期大会が実施されますが、その運営をしていく上で審判の存在は不可欠です。また最近では、上部大会においても主審が出来る審判の帯同を求められるケースが非常に多くなっています。主審含めて毎試合4名の審判が必要で、基本的に自チームの試合についてはジャッジができないことも考慮すると、運営サイドとしてはかなりの数の審判を集める必要があるからです。

このため、市区町村の地域リーグにおいては、各チームから審判を数名ずつ募って“審判団”を作り、対戦カードごとに審判をセッティングしていきます
各チームは数名ずつ“審判団”にエントリーすることになりますが、その個人個人の“審判技術”は様々で、チームによってはかなりレベルの低い審判を出してくる場合もあります。野球の試合というのは不思議なもので、4名の審判のうち1名でも低いレベルの審判がいると、その試合は一番低いレベルの審判に合わせた試合内容になってしまいます。まさに、子供達の“熱い戦い”に“水を差す”最悪の状況です。これでは、何のためのボランティア活動か解らなくなってしまいます。そのため、“審判団”は各チームに対して“審判部”の編成と共に、各審判員の技術向上を求めています

審判部長の仕事:技術指導を行う

審判部長は“審判部”のトップなので、当然野球のルールに精通している必要があります。そして、審判部員でもあるお父さんコーチ達からの技術的な疑問/質問にも、正確かつ迅速に答える必要があります

ここで注意すべきは、“野球のルールは不定期に変わる”ということです。従って審判部長はルール変更の情報をいち早くキャッチし、指導者に周知する必要があります

少年野球のルールは基本的に野球規則に準じていますが、各大会の前には“ルール確認”が行われます。最近では、2014に重要な野球規則の変更があり、それまでは認められていた“3塁への偽投”がボークになりました。こうした野球規則の変更を大会ルールとして適用するかどうかを中心に“ルール確認”を行います。この検討会議には、各チームの代表として“審判部長”が出席します。

また、審判部長は、自チーム審判の技術向上というミッションも持っているので、自分の責任において定期的に審判講習会を開きます。これは、審判部長自身が講師を務める場合がほとんどですが、時には、都道府県における資格(2級、1級、審判指導員、審判技術指導員など)を保持する人を特別に招いて、技術指導を受けることもあります。

審判部長の仕事:毅然とした態度を浸透させる

あらゆるスポーツにおいて、“審判の判定は絶対”が基本です。最近プロの世界では、“ビデオ判定”などが導入されていますが、小学生に対する指導としては、永遠に“審判がアウトと言ったらアウト”なのです。その意味で少年野球の審判に求められる姿勢としては、“毅然とした態度”が何より重要で、精神修養も意識して審判講習会は行われます。

よって私のチームでは、“コールはできるだけ大きな声で”“ジャッジは大袈裟なくらい”ということを各審判員に徹底しています。当然審判部長にも、審判部のトップとして部員の模範となる所作を求めています。

審判部長の仕事:正しい審判着の着用を促し確認する

季節によって若干の差異はありますが、審判帽・審判着・審判ズボン・ベルト・審判靴といった身に着けるものから、インジケーター(手に持ってストライク・ボール・アウトカウント・イニングを確認するための道具)や刷毛(ホームベースやピッチャーズプレートを適宜掃除する道具)などの小道具、主審用のマスクプロテクターなどの準備について、チーム内で取り仕切るのも審判部長の重要な役割です。

また、“お父さんコーチに成り立てほやほや”のような若い審判は、とかく装いがだらしなくなりがちです。“チームを代表して審判をしている”という、自覚と高い誇りを持って任務を遂行するためにも、まずは外見からきちんとすることは非常に重要で、それを管理監督する審判部長の役割は重要になってきています。

まとめ

監督から「XXさん、審判部長やってよ。」と頼まれた貴方。
もう“お父さん審判”としてはかなりキャリアを積んできたのですから、ことさらに悩むことはありません。
「俺がルールブックだ!」
と言えるくらい審判部長として自信を持ち、厳正なジャッジをしてください。

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