少年野球における背番号の基本的な決め方

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記事の目次

野球少年にとって、背番号は非常に重いものです。とりわけ、“1”はエースナンバー、“10”はキャプテンナンバーとして特別な意味が込められているため、少年野球チームでこれらの番号を背負う子供にとっては“一生の思い出”となります。

そんな中、監督やコーチはどのように背番号を決めていくのでしょうか。

背番号はチーム別

近年、一つの単位団の中に複数チームを抱えることが多くなっています。これは一見、現在日本が抱える少子化問題の流れと逆行するようですが、“優れたチームに厳選され、限られた数の子供がそこに集約されてきた結果”と考えるのが妥当です。

そんな中、“5~6年生の高学年チームと1~4年の低学年チーム”という2チーム体制が、単位団運営の大半を占めます。但し、人数が極端に多い場合は各学年でチーム編成を行う場合や、中には一つの学年に複数チーム(6年A・6年Bなど)を持っている場合もあります。そうした場合は、それぞれのチームに“1”と“10”がいることになり、代表や総監督はかなり混乱することになります。

私のチームでは1~6年まで通し番号(重複なし)で、高学年/低学年の2チーム体制なので、毎年年末にコーチと協議して背番号決めを行います。

背番号決めの基本

背番号を決める際に、配慮しなければならないことがいくつかあります。

それは子供や保護者が、『できるだけ小さい番号が欲しい』『去年とは違う番号が欲しい』という要望を強く持っている、ということを理解した上で、背番号を決める必要があるということです。

できるだけ小さい番号が欲しい

プロ野球でもそうですが、野球の背番号というのは小さい番号を背負っている選手がどうしても巧く見えます。プロ野球における“育成枠”選手の多くが3桁背番号を背負っているのも、この意識を増幅させる一因となっているようです。

毎年各チームで行われる、背番号発表セレモニー。そこでの“ひと桁番号発表”時に見せる、子供たち・親御さんたちのヒートアップぶりが、それを証明しています。

私のチームにおいて、低学年チームは、4年生の中で早く入団した子から順番→3年生の中で早く入団した子から順番→2年生の中で早く入団した子から順番→1年生の中で早く入団した子から順番で、“31”から大きい数字に向かって機械的に割り振っていきます。これは、“28”“29”はコーチの背番号、“30”は監督の背番号というのが少年野球チームの常識で、さらに5~6年生の人数は毎年概ね27人以内だからです。

一方、高学年チームの方は、まず“10”のキャプテンを決め、次に“1”のエースを決め、私が考えるレギュラーメンバーの守備位置に従って“2”から順番に下記のように振っていきます

  1. ピッチャー
  2. キャッチャー
  3. ファースト
  4. セカンド
  5. サード
  6. ショート
  7. レフト
  8. センター
  9. ライト

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そして、最終的にコーチ陣の合意を取った上で、年末の納会において発表します。要するに“3”をもらった子は、“このチームではファーストとして監督に期待されている”という風に理解して欲しいのです。

この背番号決定作業においては、毎年能力の高い5年生もいるわけで、6年生を押しのけて若い番号をゲットするという“下克上”のような現象も発生します。もう高学年になったら、チーム全体に“実力優先”を意識させる必要があるというわけです。

学年が代わったら違う番号が欲しい

私のチームにおける背番号決めロジックを前項でお話しましたが、この仕組みだけに頼ると、“能力の高い5年生は2年間同じ背番号になる”ということがかなりの頻度で発生します。キャッチャーやファーストに特化して英才教育された5年生が、引き続き6年生でもそのポジションを守るということは、チームが勝利する近道だからです。

こうした状況の場合、私のチームにおいては、彼らに“10”か“1”を渡します。前述の通り“10”と“1”は他の番号とは違う大きな意味合いを持っていますが、5年生から英才教育を受けている彼らは、充分それを受け取る資質も資格もあるからです。仮に“10”や“1”が空いていない場合は、前の年よりなるべく番号が小さくなるように配慮して別の番号を渡すように心がけています。

お父さんコーチの反乱

このように多くの配慮を経て決められる背番号ですが、最終段階でお父さんコーチの反乱に遭う場合があります。

“10”は指導者間の多数決で決めるので、ある意味無条件なのですが、票数が同点で双方に別のお父さんコーチが絡んでいる場合や、無条件で監督が決めるチームはどこでもかなり揉めます。

私のチームも、指導者間投票で同点の場合は監督である私が票を入れた子に決まるのですが、その1年間ずっと“わだかまりが残る”ということは否めません。ある意味“その子の為だけにコーチになった”お父さんの思いは理解できますが、ここではぐっと堪えて“チーム第一”で振舞う“大人の行動”が求められます。

まとめ

“たかが背番号”と思われる方も多いと思います。しかしその陰には、様々な思いや我慢や決断が隠されていることを、ここではポイントとして押さえてください。

少年野球でも背番号“0”が認められて久しくなりますが、私のチームにも“0”番はいます。但し毎年いる訳ではありません。“0”は私が「XX君、今年のムードメーカーは君だ!」と思える人材がいる年にだけ渡す特別な背番号だからです。

長男は“1”番。次男は“10”番。そして三男には“0”番をそれぞれの最終学年のシーズンに渡しました。ただ、その後の彼らの人生を見ていると、“0”番の子が一番楽しく充実した日々を送っているように見えます。

“少年野球の背番号決めは人生をも決める”と感じられる今日この頃です。

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