ティーバッティングの目的と練習方法
少年野球で最もオーソドックスなバッティング練習は素振りですが、テキトーに何百回振り回しても意味がありません。百害あって一利なしです。
そこで、小学生のうちからきちんとしたフォームを固めるのに有効な練習が、ティーバッティングです。
ティーバッティングは、腰の高さくらいの球座(ティー)に置いたボールを打ち、略して「ティー」と呼ばれます。
バットコントロールの確認
フォームを固めていく過程で重要なチェックポイントは、バットコントロールの確認です。
自分の意図しているところにバットが出ているのかどうかは、素振りではわかりません。またうまくミートできない原因が、タイミングにあるのかバットコントロールにあるのかもフリーバッティングでは判断できない場合があります。
ゴルフをやる方は、打ちっぱなし練習場をイメージしてください。止まっているボールを打つことで、バット(クラブ)をコントロールが出来ているか否か自分でチェックできます。また、スイングの確認を通して余分な「力み」が入っていないかも確認できます。
野球はゴルフほど打球の方向に重要性は無いですが、バットコントロールに影響を与えない「力み」の限界を体感できることが、ティーバッティングの大きな利点です。
最適なミートポイントの確認
ティーバッティングには、もう一つ重要な目的があります。最適なミートポイントを確認することです。
ゴルフと違い野球の場合は、ある程度タイミングが遅れても、前で捌いて芯で打てばヒットになる事があります。それとは別に自分自身の「最適」なミートポイントは必ず有るはずで、それを自分のものにすることはバッティングにおいて非常に重要です。
ミートポイントを把握したら、そこを中心にフォームを固め、タイミングを掴み、あとはいかにそれに幅を持たせるかというプロセスで「バッティングの形」を作っていきます。
このプロセスを端折って、(フォームやポイントを決めないで)ダラダラとバッティングを続けると、スランプの時に修正ができなくなってしまう事になります。尺度とすべき「ベストのスイング」ができていないからです。
“スランプ脱出”という意味でも、ティーバッティングを実施することには大きな意味が有ると覚えておいてください。
トスバッティングとの併用
「最適」なミートポイントが掴めたら、今度はトスバッティングをやってみましょう。止まっている球から、今度は人が投げる球に変わりました。
トスバッティングでも引き続きミートポイントを意識して、内角、外角、高め、低めと様々なコースへの対応が出来るか確認してみてください。
バッティングの基本は、センター返しです。トスバッティングで投げ手に正確に打ち返すことは、まさにセンター返しを実践することになります。その為には、ティーバッティングで掴んだ「正しいタイミング」で、かつ「正しいミートポイント」でアジャストすることが不可避であり、それを包括的に鍛えるために日々の練習においてトスバッティングも併用するのです。
ロングティーバッティングについて
ロングティーバッティングは、文字通りティーバッティングのロング版です。ティーバッティングで使用しているネットを外しフルスイングすることで、今度は自分の飛距離感覚を磨く練習です。トスバッティング、ティーバッティング練習の目的とは異なり、ロングティーバッティングはボールを遠くに飛ばす、打球の角度や飛距離をイメージするトレーニングです。
但し、小学生にこのロングティーバッティングをやらせると、飛ばすことばかりに意識がいってしまい、イタズラにフォームを崩すことが多いので、うちのチームでは中学生になってから初めてやらせます。
まとめ
ティーバッティングによって、バットコントロールの確認をしながら最適なミートポイントを会得する。そして自分のフォームを固める。
そのフォームを頭に叩き込んだら、トスバッティングで動く球への対応を身に付け、日々の素振りでそれを身体に叩き込む。
ほら。息子さんも打てそうな気がしてきたでしょう。